自宅にいつでも触れる猫がいる幸せ
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スージーを拾ったのは今年の6月でした。
近くの竹やぶで「ミーッ、ミーッ!」と鳴き声がするので「ああ、子猫が鳴いているな」と思っていました。
誰かが捨てに来たのか、それとも母猫に捨てられたのか。
私、子猫はこの時、あまり猫を拾いたい気分ではありませんでした。
猫を飼うメリットよりデメリットの方が大きく思えたのです。
家が汚くなる、掃除が大変、避妊や去勢をしなければいけないし病気になるかもしれない、えさ代、猫砂代がかかる、など。
それでスージーの鳴き声を聞こえないふりしていました。世界に数えきれない程いる猫の1匹で、数日すればこの声はもう聞こえなくなると。
ところがスージーの必死の鳴き声が同じく猫好きの夫にも聞こえてしまいました。それで、仕方なく二人で竹やぶに猫を拾いに行き、飼うことになりました。
家に猫がいなかった間はよく野良猫を見に行っていました。
海岸の近くに数匹の野良猫がいるのですが、ここの猫たちは釣り人にキャットフードをもらって生きているようです。野良猫は警戒心が強く、大体触らせてくれないのですがたまに抱っこさせてくれる猫がいます。海岸の猫達に会いに通ううち、1匹の抱かせてくれる雄猫に出会いました。
ほかの猫たちが海岸の駐車場にある植え込みでキャットフードを待っているのに対し、この雄猫は自分から魚をもらいに行きます。
釣り人の近くで待っているのです。時にはテトラポッドを器用に伝って波のしぶきがかかるところまで降りていたりします。魚をくれる釣り人のすぐ後ろのテトラポッドで寝そべっておこぼれを待っている姿を見たこともあります。
またたびを持ってこの雄猫に会いに通いました。行っても必ず会えるわけではありません。彼のいそうなところを探して回っても会えなければ諦めるしかありません。
何度かまたたびをやって抱っこしてかわいがったところで、車に乗せて連れて帰ろうとしましたが断られてしまいました。
その後、すぐスージーを拾ったので海岸の抱っこさせてくれる雄猫にはそれ以来会いに行っていません。
自宅にいつでも触らせてくれる猫がいるというのはなんと幸せなことなんだろう、と最近はよく思うのですが、拾ったばかりの頃はスージーを全くかわいいと思えませんでした。
拾ったばかりのスージーです。左目が目やにでつぶれていて左耳の先がちぎれていました。左の後ろ足も地面につけませんでした。
カラスに襲われたのか車に轢かれたのかわかりませんがそんな状態でした。
家に連れて帰ったのですが家具の後ろに逃げ込んでしまって次の日まで出てきませんでした。
餌も食べず、水も飲まず、トイレにも行かないまま翌日になりました。
待っても出てきそうにないので、夫が家具をどかしてスージーを捕まえました。
1か月くらいはこの汚い柄の雌猫に愛情がわきませんでしたが段々かわいくなってきました。
スージーは兄弟で育ってケンカしたことがあるのか爪を立てません。乳離れもしていたようでグーパーしたりフミフミもしません。
餌は今のところキャットフードしか食べません。何度か人間の食べ物をやってみたのですがおいしくなかったみたいです。
猫用のおやつで液状のとろっとした「ちゅーる」というのをやってみたのですが口についたのが臭かったみたいで一生懸命洗っていました。
こんな風に喜んでくれませんでした。
スージーは外に出たいという気持ちはあるようですがとても怖がりで、ちょっとでも物音がするとすぐ家の中に逃げ込んできます。家の中だけで過ごしているので元気が余っているようで、ふすまはビリビリになってしまいました。古い砂壁のはがれかけた所も毎日ちょっとずつはがしていくのがスージーの今の目標らしいです。
もう少し落ち着いたらふすまと壁を修理しようと思います。
朝はスージーが先に起きた時は足元から狙ってきます。布団の中に手を入れて爪を立てて足先をガシガシッと攻撃してきます。
最初は爪も立てないし噛みつかないし、いい子だと思っていたのですが、それでは遊んでもらえないと学習したんでしょうか?最近はすっかり悪い子になりました。じゃれてきても無視しているとわざと爪を立てるようになってしまいました。
猫は人間より早く成長してしまいます。こんな風に遊んで、遊んで!って言ってくるのは長くてあと3年くらいかなー。子猫の時期はうるさいけど一番かわいい時なんだろうな。