じいさんと子猫が対決 男性を怒らせるのは恐い
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ヒムラーがいつも適当に掃除するのでトナカイさんと小鹿さん、そして子猫は我慢していました。
子猫は注意すべきかずっと迷っていました。
現場にはほとんど課長は来ません。1年に1度か2度会う程度。いつも「あれ?課長、こんな顔だっけ?」と思ってしまいます。
課長にはヒムラーの仕事振りを報告してはいたのですが何もしてくれません。多分、今までの例からして「何も揉め事がないならこのまま行こう」って思ってるのかな。
前の主任の布袋様もぜんぜん掃除しない人でした。本社から部長や社長、もちろん課長も来て何度も注意を受けていましたが新しい人を募集してくれるわけでもなく、布袋様も開き直っていたのかな?堂々とふてぶてしくサボっていました。
ヒムラーも自分から辞めるまで絶対、クビにはならないんだろうなー。
課長に、新しい人を入れてください!とメールしましたが何も返事はありません。
先日、勇気を出してヒムラーに言いました。
子猫「おはようございます。」
ヒムラー「ああ、おはよう」
子猫「あのー、トイレ掃除のことなんですけどね、今日はもう終わりましたか?(ちゃんとやってないのを確認済み)」
ヒムラー「ああ、終わったよ」
子猫「いや、終わってませんでした。」
ヒムラー激怒。
「ああ?私ばっかりそうやって集中的にチェックするなら、もう、(本社に『コイツをクビにしてください』と)言ってくれてかまわんから!」
「もう報告してありますから!」
その後ちょっとした言い合いがヒムラーと子猫の間でありました。
子猫はこういうの苦手なんです。
心臓はバクバク、声は震え声。
言いたいことの10分の1も言えません。
ヒムラーは「言ってもらってかまわんから!」と言いましたが本心では辞めたくないんです。
70代で奇跡的に見つけた仕事。
首になったら次が簡単に見つかるとは思えません。
しかも今より気楽な仕事はないと思うんだなー!
子猫はヒムラーと別れた後、すぐ課長に電話しました。
「年齢的に、もうヒムラーさんは無理みたいです。注意しても直さないからできないんだと思います。それに階段の上り下りもフラフラしていて気の毒であまり言えないんです。ヒムラーさんにトイレ掃除のやり方を注意したら激怒していました。」
課長はそういう揉め事の時、どっちにもつかない派なのですが思ったより子猫の味方をしてくれました。
でも、ヒムラーからも聞いてみないと分からないとも言っていましたが。
子猫の考えですが「ヒムラーが階段を上り下りする時フラフラしていた」っていうのはかなり効いたと思います。(本当のことです)
この、掃除場所の会社は事故にはうるさく、たとえばヒムラーが作業中に階段で転倒して怪我したとかいう事になれば「なぜそういう事故が起きたのか」って問題になりそうなのです。
従業員の健康状態をチェックしていたか?とか手すりをつかんで階段を歩いていたか?とか。
課長の心にも一瞬そういった会議に呼ばれるイメージが浮かんだと思います。
ヒムラーは応援を求めて、まずトナカイさんに電話したみたいでした。その後、課長にも電話して子猫の事を言いつけたはずです。
トナカイさんから子猫に電話がかかってきました。
トナカイさんが言ってきたのは
「感情的になってヒムラーに言ったのかも知れんが、募集してもなかなか人は来ないからあと2年くらい(2年っていうのは何?トナカイさんが辞めるまでってこと?)ヒムラーを引き止めておこうよ。私が上手いこと引き止めておこうか?」ということでした。
子猫はその日、ヒムラーに注意したのは感情的になって言ったわけではないし、ずーっと考えて勇気を出して言ったことなのでそれでヒムラーが怒って「今日で辞める!」って言っても仕方ないと思っていました。
むしろそうなってくれたほうが課長も本気で求人を出してくれるのではないかと思っていました。
でもトナカイさんはヒムラーが辞めたらその分は誰が出る?ワシはこれ以上、出られんよ?小鹿さんだってこれ以上出たくないって言ってたよ?子猫君が一人で全部出るのかね?と意地悪い事を言ってきます。「それくらいの覚悟でヒムラーに注意したのかね?」と。
なんだかトナカイさんに腹が立ってきて次の人が来るまでヒムラーを引き止めて置いてください、お願いします!みたいに言う気が起きませんでした。
子猫はヒムラーに注意するべきじゃなかったのかなー。
家に帰ってちょっと悩みました。頭がガンガンしてきました。
ネットで色々、調べました。
子猫はヒムラーの上司ではないけどヒムラーに注意するべき立場だったから言っただけ。
嫌われる勇気、っていう本があるんですね、そういう内容がネットに載っていて、励みになりました。
上司なら部下に注意するのが仕事。
当然するべき事をして嫌われるなら仕方ない。
むしろやるべき事をやらないのはクソ上司だ。
いくら優しい言葉で注意しても嫌われる。
上司は部下に嫌な仕事をさせるためにいる。
たとえば・・・。
毎朝、あなたにビンタしに来る人がいるとしよう。
「いいですかぁー?今からビンタしますよぅ?あなたの為なんです!」
いくら優しく言われたって嫌な物は嫌。ビンタする人を好きになれるか?
そういった内容でした。
やっぱり私は悪くない!
子猫はちょっと嫌なことがあるとグルグル悩んでしまって頭が痛くなってぐったりするのですが最近は糖質制限して肉ばっかり食べていて体も、精神的にも、モリモリ元気になってきたのでこの時も
「そうだ!肉、食べよう!」と思い、帰ってからすぐ焼肉を食べました。
たんぱく質と鉄分補給だ!
その日はあまり眠れなかったけど、嫌な気分を引きずることもなく、元気に過ごせています。
すぐに悩んでくよくよする人は、落ち込んだ時はケーキバイキングじゃなくてお肉を食べてみてください。
でもおじいさんとはいえ、男性を怒らせるのは恐いです。
昨日、一人でB館の掃除をしましたが突然ヒムラーが入ってきて刺されるのではないかと恐かったので鍵を閉めて外を見張りながらやりました。
これからもなるべくヒムラーとは近づかないようにしたいと思います。
今日、新聞の広告に子猫のしている仕事の求人が出ていたのでちょっと嬉しかったです。
課長、求人出してくれたんだ!